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遠心鋳造について

access_time2021年3月6日

グラビティ鋳造が重力を利用するのに対して、その名の通り遠心力を利用して鋳物を製作する鋳造方法が、遠心鋳造となります。
緻密な鋳物製作に向いており、工業・芸術など幅広い分野で応用されております。

遠心鋳造は、注湯しながら鋳型を回転させ遠心力を作用させることで、品質の高い鋳造品を製造することが可能です。遠心力により溶湯と鋳型との密着がよく、冷却速度が速く、ブローホールやひけ巣などの欠陥が極めて少ない、良好な鋳物が製作されます。

溶湯を金型もしくは砂型製の円筒鋳型に注湯し、地面に対して軸が垂直あるいは水平の方向に回転させると、溶湯は鋳型の内壁に押し付けられて中空となります
(回転軸の方向により、「横型遠心鋳造法」と「縦型遠心鋳造法」に大別されます)。これにより、水道管などの管状や環状の製品を、中子を用いずに鋳造することができるのが遠心鋳造の大きな特徴の一つです。

メリットとデメリットを簡単にまとめると以下の通りです。

メリット

①中子を用いずパイプ状の鋳物が生産できる

②パイプ状の鋳物では湯口や押湯を必要とせず、歩留りが大きく向上する

③遠心力の働きにくい不純物は内面に分離押し出され、外面は緻密、健全な鋳物となる

デメリット

①合金の種類によっては遠心力で偏析が促進されることがある
 ※偏析の程度が大きいと、機械的性質が不均一となり、破壊等の起点になってしまい、不具合の要因になることがあります。

②厚肉品では各種の技術的困難さを伴うことがある(対応可能な形状が限られる)

簡単ではありますが、以上が遠心鋳造の特徴となります。
特殊な技術となるため、あまり知られていない鋳造方法かと思いますが、今回の記事により、「遠心鋳造」という技術を知って頂けますと幸いです。

次回は、「発泡型」についてご紹介させていただきます。

<ダイカストについて     目次     発泡型について>

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