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発泡型について

access_time2021年4月9日

鋳造にあたっては、製品の形状を出すための型が必要となりますが、製品の試作時や保安部品など、木型・金型を製作すると価格的に折り合いがつかなかったり、量産化の前に製品の性能を調べたい場合などもあるかと思います。
そんな時に型として用いられるのが、発泡スチロールで作られた通称「発泡型」となります。

発泡型を用いた鋳造方法は大まかに2種類ございます。

■試作鋳造(仮称)

砂型の造型時に木型の代わりとして発泡スチロール模型を用いて、注湯前に発泡型を除去する方法となります。
発泡型は加工性に優れているため、製作単価が安価であり、納期の短縮も可能となります。そのため、開発段階で形状変更が多く予想されるときなどは、変更が多いほど木型と比べてコストメリットが出やすいです。
ただし、木型と異なり発泡型は基本的には1回使い捨てとなるため、数量や形状によっては木型のほうが安価となる場合もございます。

■フルモールド鋳造法

発泡型を用いて砂型を造型した後、発泡型を除去せずにそのまま注湯することで発泡型を溶かし、金属と置き換える鋳造方法となります。
上述の試作鋳造があくまでも木型の代替として発泡型を用いるのに対し、こちらは発泡型の特性を生かした鋳造法となっており、抜型(砂型から型を引き抜く作業)が不要なため、中子やパーティングライン、抜き勾配といったものを考える必要が無く、複雑な形状の物が低コストで作成できる手法となります。
現在では、プレス用金型などの多くはこの方法で作られています。
ただし、注湯時に発泡スチロールが燃える(溶ける)ことによって発生する残渣が鋳肌に出やすく、その対策のためのノウハウが必要となります。

今回は、主に試作や1品ものに用いられることが多い発泡型についてご説明させていただきました。
一般的に鋳造というと木型・金型のイメージが強く、あまりなじみが無い方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな技術・やり方もあるんだということを知って頂けますと幸いでございます。

次回は「ロストワックス」についてご紹介させていただきます!

<遠心鋳造について     目次     ロストワックスについて>

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