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ステンレス鋳鋼について

access_time2020年5月9日

今回は『ステンレス鋳鋼』についてご紹介いたします。
ステンレスは『Stain Less=錆無し』の名前が示す通り、錆びにくい金属として食器や台所のシンクにも使われている普段の生活にも非常に身近な材質だと思います。
鉄にクロムやニッケルを含有した合金鋼で、その含有量や製作方法によって多くの表記があります。今回ご紹介するステンレス鋳鋼もその中の一つです。

SCS

ステンレス鋳鋼は、『Steel Casting Stainless』の頭文字から『SCS』と表記されます。Casting(キャスティング)が示す通り、作りたい形の型を使用して成形する鋳物の一種です。
よく目にします、『SUS』も同じステンレスですが、こちらは『Steel Use Stainless』の略で、ステンレス金属を圧延・加工した板や棒、パイプなどの材料を示しています。
原材料としてはほぼ同等ですが、SUSでは加工が難しかったり、コストがかかってしまう物をステンレスで作りたい場合にSCSが選択されます。

鋳鉄鋳物や、非鉄鋳物と違い、『酸洗』という工程を必要とするのも特徴の一つです。
ステンレスが錆びにくいといわれているのは、含まれているクロムにより表面に形成される『不導体皮膜』という非常に薄い酸化被膜の働きによるものなのですが、酸洗処理を行うことで、不導体皮膜をより強力にすることが出来ます。
この不導体皮膜とニッケルやモリブデンなどの添加物により、ステンレスはさびにくい金属といわれているのです。

以上のような特徴から、ステンレス鋳鋼は化学薬品を扱う機械設備や、原子力・火力などの電力設備、医療分野、船舶、鉄道車両、自動車など幅広い分野で使用されています。

次回は銅合金についてご紹介いたします!

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