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銅合金鋳物について

access_time2020年5月29日

「鋳物の起源」で触れましたように、人類が最初に鋳造を始めたのが銅鋳物です。
カッパー(Copper)アロイ(Alloy)キャスティング(Castings)の頭文字をとって「CAC」と表記され、そのあとに系統を示す3桁の数字がつきます。

銅鋳物は優れた導電性や熱伝導率、耐食性、被削性が良いなどの物性を持っており、電極部品や船舶部品、水道関係などに良く使われています。
また、銅は青銅系や黄銅系など多くの系統があり、それぞれがかなり特化した性質を持っています。

銅の系統は多いため、ここでは主だったものについて簡単に紹介させていただきます。

CAC100系統(純銅鋳物)

高い導電率が求められる電気機器や電極などに用いられます。
CAC101、102、103などが該当し、数字が増えるほど導電率は高くなりますが、機械的強度は低くなります。

CAC400系統(青銅鋳物)

鋳造性・耐圧性・耐食性に優れ鋳肌も綺麗に出るという特徴を持つ材質です。日本での水道用の材質として多く鋳造されているため、CACの中ではもっともポピュラーかと思います。青銅系では鉛が各種性質に大きな影響を持ちますが、近年ではRoHS指令に対応するためCAC408や411といった鉛の含有量を抑えたものもあります。

CAC900系統(ビスマス青銅鋳物)

上記の青銅鋳物の鉛を抑える過程で生まれた新しい鋳物で、鉛の代わりに「ビスマス」や「セレン」を用いています。CAC400系統と同様水道用部品などに主に用いられています。

CAC700系統(アルミ青銅)

銅合金鋳物の中で最も機械的強度に優れ、耐食性も高いですが、反面非常に鋳造が難しい材質です。船舶などは以前はCAC300系統の材質が主に用いられていましたが、現在はこちらが主流のようです。

次回は「アルミ鋳物」についてご紹介させていただきます!

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