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鋳鋼について

access_time2020年4月16日

前回は鋳物の材質として「鋳鉄」のご紹介をさせていただきました。
今回は鉄系繋がりということで「鋳鋼」についてご紹介をさせていただきます。

鋳鋼は前回ご紹介した鋳鉄と同じ「鉄鋳物」に分類されます。鋳鋼と鋳鉄を分ける境界は「炭素量」となり、炭素量2.1%以下の物が鋳鋼と分類されています。
炭素量が前回ご紹介した鋳鉄よりも少ないため溶解温度が高く、凝固収縮が大きいなど鋳造難度は高い(巣不良などが発生しやすい)ですが、耐食性・耐摩耗性・強靭性・耐衝撃性などが高く、一般的には鋳鉄よりも強度が高いため、鋳鉄では強度が不足する製品に用いられます。

鋳鋼の材質は大きく分けると「炭素鋼鋳鋼」と「合金鋼鋳鋼」の2種類に分けられます。
それでは、それぞれの特徴を紹介していきます。

炭素鋼鋳鋼(SC材)

その名の通り炭素鋼を鋳物としたもので、含有する炭素量によって「低炭素鋼(炭素量0.20%以下)」、「中炭素鋼(炭素量0.20~0.50%)」、「高炭素鋼(炭素量0.50%以上)」に分類されます。
JISではSC360、SC410、SC450、SC480の4種類についての規定があります。

また、溶接性を考慮したものはWeld(=溶接)の頭文字をとって「SCW」として別途規定があります。

用途:電動機部品、発電所用機械部品、鉄道車両部品など

合金鋼鋳鋼(SCMn材など)

合金鋼鋳鋼は、炭素 C以外に、マンガン Mn、クロム Cr、モリブデン Moなどの元素を添加した鋳鋼です。耐食性、耐熱性、耐摩耗性に優れています。
鋼材の強度向上にはマンガン Mn、ケイ素 Si、クロム Crを添加し、耐熱性向上にはモリブデン Moを添加します。
例としては、SCMn材、SCMnCr材、SCSiMn材、ACMnM材、ACCrM材、 SCMnCrM材などがあります。

用途:歯車、建設機械、構造材、キャタピラ、ローラなどの耐摩耗品

次回は「ステンレス鋳鋼」についてご説明いたします!

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